もちろん、放置病という病気はありません。

ですが、当院で扱う症状の多くが同じような経過を辿っており、その大きな要因が『放置していること』、なので私だけがそう呼んでいます。

坐骨神経痛は急性なのか慢性なのか

症状には慢性と急性があります。
慢性は、「良くも悪くも変化が起こりにくいが長引く症状」という定義があります。
急性は、「急に発症した症状」ということですね。

坐骨神経痛の場合、症状がはっきり出てきて(あるいは病院で診断を受けて)当院に来られる方の半分ぐらいは、「何もしないのに急に痛くなった」あるいは「最近段々痛くなってきた」と言われます。
定義上、これは急性つまり急に発生した症状というふうに見えます。

しかし、実態はちょっと違います。
急性症状にしてしまうと、「では坐骨神経はなんでもなかった人でも急に発生する症状なのだ」ということになってしまいます。

実際には、何でもなかった人がいきなり坐骨神経痛になることは事故以外にはちょっと考えにくいです。

坐骨神経痛の具体的な症状は?

坐骨神経痛の具体的な症状といえば、文字通り坐骨神経(腰からお尻、太ももを経由して名前を変えながら足先まで続く神経)に障害が起こることです。
障害によって、坐骨神経が通る道の何処かで痛み、しびれ、つっぱり感などを感じます。

坐骨神経1

坐骨神経が通る経路であればどこででも症状が現れますが、症状が現れた場所の神経が傷ついているわけではありません。
脊髄神経が背骨から坐骨神経となって出てくる部分での障害によって起こります。(例外は梨状筋症候群だけ)
要するに背骨の腰の部分(腰椎)の不具合の影響が坐骨神経を通して出ているのです。

背骨が神経に影響をあたえるような不具合は、それこそ事故や急激に高負荷をかけた時以外にいきなり起こることはありません。
ということは、それまでに少しずつ不具合が出ていたのだろうと想像されます。

体は、多少の不具合が出たとしても自動的にバランスを崩して問題がない状態を守ろうとします。
ちょうど右足が怪我をした時に、左足がかばって体を支えるような仕組みです。

不具合が自然に治癒してしまえばバランスも戻るのですが、いつまでも治癒せずにいると体はアンバランスのままでいることになります。
アンバランスでいれば、どうしても負担のかかるところが出てきます。
しかし、多少の負担では簡単に痛みや違和感は出ないため(よりバランスを崩して問題ない状態を作る)、不具合の自覚がないまま過ごします。

坐骨神経痛は放置が作り出した症状だ

すでに、不具合を放置した状態になっています
そのうえ、多少の傷みや違和感が出る程度なら、我慢して様子を見る(ひたすら我慢する)ということが多いです。
これは確実に放置した状態です

最初は小さな不具合が、こうして放置されて、時間をかけて慢性的な不具合になります。
慢性症状は良くも悪くも変化が起こりにくいと言いましたが、経験上あまり放っておいて良くなったということはありません。
なぜなら、元々不具合を起こすような生活を繰り返しているのが普通だからです。

だから、悪化することが多いです。
そして悪化が進めば、痛みや違和感が出始めるのです。
この段階ではいきなり神経症状というよりも、一般的な軽い腰痛という認識だと思います。

一般的に 「腰痛 = 腰が疲れてる、腰を使いすぎた」 ぐらいの感覚でいるのが普通なので、「ちょっと体を休めるか」とか「マッサージでも行こうか」と考えます。
でもそう考えるのは良い方で、実はこの段階でも放置している人のほうが多いのが現実ではないでしょうか。

そんな中から、段々と痛みやしびれがひどくなり、我慢できずに病院に行く人が出はじめます。
これが坐骨神経痛にもっとも当てはまりやすいプロセスだと思って頂いていいと思います。

坐骨神経痛を甘く見ないで!

これまででわかっていただいたと思いますが、坐骨神経痛は慢性症状が悪化するという経過を辿って出てきた症状ですから、今出ている症状が軽く感じられても軽症ではありません。
症状が一時的に軽くなったとしても必ずぶり返します。
ここで放置すれば、悪化の一途を辿ります。

なにか悪く煽っているようになってしまいましたが、体の仕組みはこれが現実です。
本気で治したければ、症状がぶり返さなくなるまでしっかりと治療に取り組みましょう。