これは、臨床経験からの個人的な仮説です。

ぎっくり腰で来院され、施術をした後に、
「ちょっと起きて動いてみて下さい」
というと、しばらくもがいて、
「動けません」というケースがあります。

「痛いですか?」
と聞くと、
「力が入りません」
と言われます。

五十肩で来院され、施術をした後に、
「ちょっと腕を上げてみて下さい」
というと、水平ぐらいまでしか上がらないケースもあります。

今まで何度もぎっくり腰を繰り返していたり、五十肩で今までとても痛い思いをしてきた方にこのようなケースが多く、私の想像では(本人には自覚がないと思いますが)その過去の痛みが強い記憶として残っているんだと思います。

今までは、このような状態で動かすと激痛が走ったので、脳としてはこのような経験上の記憶から、
「ほら、ここで動くとすごく痛いんだよなあ」
という反応をして、無意識に動きをセーブしてしまうのでしょう。

だから、本来は動かす時に必要な筋肉よりも、反発する方の筋肉に力が入ります。
ある意味暗示にかかっているといえるかもしれません。

このような時の一番いい薬は成功体験です。
もしくは、それに匹敵するような信頼。

「前に治療した時は、これで動いてももう痛くなくなっていた」
とか、
「この先生が治療したんだから、もう痛くないはず」
と思えていると、動かすことに怖さがなくなります(もしくは減ります)。

ここまで来ると治療も楽です。

だから、治療に一番必要なものは信頼なのかもしれません。