『治る』を定義のはとてもむずかしいです。

辞書で調べると、「病気やけががよくなって,もとの健康な状態に戻る。」となっています。 この言葉微妙ですね。

病気やケガがよくなるとはどういうことか。
健康な状態に戻るとはどういうことか。

教科書的な定義ではなく、経験上から思ったことを並べてみます。

健康な状態とは

これも辞書で調べると、

①体や心がすこやかで,悪いところのない・こと(さま)。医学では単に病気や虚弱でないというだけでなく,肉体的・精神的・社会的に調和のとれた良い状態にあることをいう。
②異常があるかないかという点からみた,体の状態。

ということ。
これも私たちが体や心をケアする次元で見るとちょっとわかりにくいかな。

そこで、私が一番しっくりくる表現を探してみました。

健康とは、健康を意識しないでいられる普通の状態です。

人の身体も、痛くなっても、疲れても、寝たら治る。
痛くなりにくい。疲れにくい。
それが普通の状態なんです。

健康を気にしないことで、余裕が生まれて、本当にやりたいことを楽しめます。
人間は、「身体」が健康になると、人生を楽しむことができます。

これは、渋谷区の「かたこり整体院」のホームページから引用させていただきました。
(私もお世話になりました。ことわっていませんが、心の広い先生なので大丈夫でしょう)

つまり、普通に生活していてもあえて体や心を気にしなくていい状態です。

人は毎日仕事をしたり、家事をしたりと色々なことをしていますから、疲れないなんてことはありません。

時には無理もするでしょう。
だから、そこここの筋肉痛が起こっても、疲労がたまっても当たり前です。

ただ、ちょっとぐらい無理してもそんなにすぐに疲れないし、痛みも出ない。
仮に出ても一晩寝ると楽になっている。

毎日そんな状態で過ごせる人は、朝起きた時から元気があります。

私たちが目指す健康とはこういうものではないでしょうか。

よくある「健康」の勘違い

健康とは「病気やけがが良くなった状態」ということですが、この良くなった(治った)ということを勘違いしていることが多いようです。

もちろん、我々治療家としての考え方を元にして勘違いと言っているので、間違いとは言えないかもしれません。
でも健康でいようとするなら、知っていてもいいことだと思います。

勘違い①痛くなくなったから治った

痛みがなくなった段階では、治ったとは言えません。
この段階は寛解(病気の症状が、一時的あるいは継続的に軽減した状態。または見かけ上消滅した状態。)と考えた方が自然です。

症状が消えても、その原因が残っている事の方が多いのです。
特に私達が主に扱っている筋骨格系の場合、歪みが原因の場合が多いです。
症状として出てきた場合には、歪みが慢性化した後に出ることが多いです。

慢性化した歪みは、治療で一時的に改善しても、また通常の生活に戻ると同じように歪み出します。
つまり、再発の可能性があるという事です。

治ったというのは、その再発の要素も取り去って再発しなくなった状態と考えると、痛みがなくなった状態ではまだ足りないでしょう。

※歪みが起こる原因というものもありますが、わかりやすくするために省略してあります。

勘違い②急に痛くなったのは、急に悪くなったから

事故やスポーツでのアクシデント、感染症などではそのようなこともあります。
ですが、痛み、しびれ、違和感などの症状は、痛みが出る以前から悪くなっている場合の方が多いです。

勘違い①にもありますが、筋骨格系の痛みやしびれにつながる症状は、主に歪みが原因です。
その歪みは、体が感じられないくらいわずかずつに進んでいきます。

だから、歪み始めは気づかない場合が多いです。
加えて、私たちの体は良くできていて、多少の歪みができても異常を感じないように無意識の中で自動的に補正(かばう)しているため、なおさら気づきにくいのです。

気づかないうちに、痛みやしびれの種はますます成長して行きます。
そのうちに体の自動的な補正ではかばいきれずに、痛みやしびれとしてあらわれます。

「痛みやしびれ」というものは、結果なんですね。
「もう放っておいたら大変なことになるよ!」という体からのメッセージです。

この段階では、治療をしても瞬時に改善するという事はありません。

仮に痛みやしびれが消えたとしても、寛解した状態です。
決して「健康」になったわけではありません。
だから、本当に大事なのはこの後どうするかという事の方なのです。

勘違い③放っておけばそのうちに良くなる

軽い症状の場合にはあり得ます。
というか、私たちは日常的にごく小さな不調や歪みを作り出しています。

ごく小さな歪みの場合は、体の回復機能によって元に戻ってしまいます。

しかし、日々積み重ねられる姿勢や動作から生まれた歪みは回復するよりも先に同じ姿勢や動作によって歪みを増大させてしまいます。

少なくとも、歪みを生み出す姿勢や動作を改めない限り回復する暇がないために、見かけ上良くなったように見えて実はさらに悪化を続けており、大爆発するのを待っているのです。

健康になるには

上記をふまえて、では健康(病気やけがが良くなった状態)になるにはどうするかを考えます。

1.症状が消えた後も、再発の危険がなくなるまで調整する

これは非常に重要なことです。

私達が症状が消えた後も施術を受けることを提案するのは、今まで症状を出していた原因がなくなって、再発の可能性が低くなるまでの状態にしたいからです。

一定期間症状が再発しなくなって、初めて完治と考えるからです。

2.症状を生み出す原因を作らない

これは重要というよりも、当たり前のことです。

私たちが治療をして今の症状を改善することはできても、症状を生み出す姿勢・動作が原因とならないように変えてしまうことはできません。

元々は日々の姿勢や動作が歪みの原因であるならば、それを改めない限り一度完治した症状でさえ再発するでしょう。

規則正しい生活、特に食事・睡眠・運動をバランスよくすることを心がけましょう。

3.定期的なメンテナンスを怠らない

私たちの体に疲労がたまらないようにする事や、日常生活の中で歪みを作る要素をゼロにすることは大変難しい事です。

消え去った歪みも、日常生活を続ければ徐々に歪みます。
それがわかっているのですから、症状が出てつらい思いをする前に改善すればいいのです。

個人差はありますが、3週間~1か月に1度程度のメンテナンスをしておけば、いきなり激しい症状が現れる危険は減ります。