現在、当院に来院される方の約30%は妊婦さんです。
その妊婦さんの腰痛で、当院での傾向としてわかってきたことがあります。

妊婦さんの腰痛といっても、妊娠後の発症なのか妊娠以前からの腰痛が悪化してきたかによって症状の出方や悪化のスピードに違いがあるようなのです。

あくまでも傾向ですのですべてが当てはまるわけではありませんが、治療計画の判断材料としては使えると思います。
その症状の違いから、比較してみましょう。

妊娠後に腰痛になった

1.ホルモンの影響による腰痛
妊娠をすると、骨盤周辺の関節を緩めるホルモンが分泌されることは最近はだいぶ知られるようになってきました。
このホルモンは、関節を固定させている靭帯を弛緩させる働きがあります。

靭帯が緩められれば、関節は安定しにくくなりますので、体はその代替策として筋肉に関節を守らせようとします。
当然筋肉は通常よりも疲労しやすくなり、疲労した筋肉は緊張し、収縮しようとします。
この緊張が骨盤や腰椎のバランスを崩してしまい、関節に歪みが生まれます。

今まで腰痛がなかった(あるいは予備軍ではなかった)方が妊娠後腰痛になるのは、この筋肉疲労と関節の歪みが原因です。

2.姿勢の変化による腰痛
妊娠中期以降にはお腹の赤ちゃんもだんだん大きくなり、お母さんの姿勢も変わってきます。
重い荷物を抱えたように、大きく腰を反らせることになります。
このことも腰の筋肉の疲労を生み、腰痛の原因となります。

上の2点のように、妊娠後の腰痛は急激な筋肉の疲労が原因になります。
そのため、元々腹筋や背筋が弱い女性がなりやすい傾向にあるかも知れません。

症状は比較的軽く、場所的にも腰周辺にとどまり、あまり下半身に広がっていくことはありません。
回復に時間がかからずに済む腰痛です。

妊娠前から腰痛があった

妊娠後に腰痛を発症した方の中でも、急激に悪化していく、あるいは最初から重い症状が出ている(お尻が痛む、太ももやふくらはぎが痛むなど)場合があります。

この場合、妊娠以前から腰痛があったと考えて良いように思います。
中には、「妊娠前は腰痛がなかった」とか「ここまでひどくはなったことがない」とおっしゃる方もいますが、『今のように』ひどい腰痛になったことがないという、それまでの腰痛を自覚していない場合が多いです。

時々起こる軽い腰痛なら、気にしない方はたくさんいます。
初期症状で軽い場合もありますし、予備軍レベルだった可能性もありますし、この程度の腰痛は普通だと判断する方もいらっしゃいます。

ベースに腰痛を持っていれば、妊娠により骨盤周辺の関節が緩み筋肉が疲労することで腰痛が悪化しても不思議ではありません。
そのために、慢性化し悪化した腰痛は重い症状となっていきなり出てくることもあるのです。

当然症状は長引き回復には時間がかかるので、早期にしっかりと良くしておきましょう。

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